この記事は2013年3月に書いた記事が消えてしまったので再度アップしたものになります。
豊島区機能回復券の利用枚数倍増
こんにちは。
3月は豊島区が発行している身体障害者および難病の方向けの施術券である「機能回復券」の有効期限最終月となっています。
すでに4月から使える回復券が届き始めたようですが2023年4月からは何と6枚から12枚に増刷されました。
患者さん負担は300円で3,000円相当の施術を受けることができる治療券になっています。
施術内容は治療院ごとに異なりますのでお近くの治療院にお問い合わせください。
当院の場合、1枚につき25分の指圧マッサージを患者さん負担300円で受けることができます。2枚ご利用だと50分の施術が可能です。鍼灸を希望する場合は鍼灸道具代として別途1,100円いただいております。
癒しの森指圧鍼灸院の場合の機能回復券利用料金
• 指圧マッサージ 25分/自己負担300円
• 指圧マッサージ 50分/自己負担600円
• 鍼灸治療 25分/自己負担1,400円
• 鍼灸治療 50分/自己負担1,700円
機能回復券の施術は院長さんぺいが担当します。
予約の際は必ず「機能回復券を〇〇枚利用したい」とお伝えください。
予約番号 03-3987ー6608
豊島区機能回復券倍増の経緯
毎年7月頃になると、豊島区議さんに豊島区鍼灸師会の要望を聞いてもらうために区役所に伺います。
そこでは自民党、公明党、都民ファーストの議員さんたちに事前に配布した予算要望事項申出書をもとに要望を行います。
癒しの森指圧鍼灸院は機能回復券の取り扱いが最も多いので、『機能回復券の枚数を6枚から12枚へ増やしてもらう要望』は毎年私の担当となっていました。
もともとは毎月2回施術ができるように24枚発行されていましたが、予算が厳しいということで12枚に減り、また6枚に減り、ついには「来季から発行はしません」と豊島区鍼灸師会会長に通達があったのです。
しかしこの時、高野之夫区長が「必要な予算は削れない」と猛プッシュしていただき継続されたのでした。
高野区長は1999年3月に東京都議会議員を退任し、同年4月の豊島区長選挙に無所属で立候補初当選されています。
私が豊島区鍼灸師会に入会したのが1996年9月ですが、その時はまだ自民党の都議会議員でした。
毎年豊島区鍼灸師会の割烹大倉で開催されていた新年会に参加していただいていたので、誰よりも鍼灸治療に理解がある議員さんでした。
コロナ禍に於いては回復券利用者が減り、毎年平均32%程度の利用率でしたが昨年はなんと14.3%に執行率が落ちてしまいました。
自民党の幹事長からは「これだけ利用率が低いと区議会としては枚数を増やすどころか廃止したほうが良いと提案しなくてはいけない行政サービスです。利用率を上げる努力を優先させてください。」と忠告を受けています。
来期分の増刷は高野之夫区長の置き土産といえる措置で、次の区長の考え方次第で継続の有無が決まりそうです。
豊島区機能回復券の利用率が伸びない理由
- 患者さんがコロナ感染を怖がり外出できない。
- 対象者が高齢となり治療院に足を運べるほど健康ではない。
- 体調不良で入院していたり、施術を受けに来れるほど体調が良くない。
- 貴重な6枚なので、体調の悪い時に使おうと残している。(3月は予約が取れない)
- 私のような軽症で(税金を)利用するのは申し訳ない。
- そもそも鍼灸や指圧はニガテ 近くに施術してくれる治療院がない。
- 4月に回復券をもらったがすぐに引っ越し、来院できなくなった。
難病の患者さんは免疫抑制剤を利用してる方が多く、感染すると生命にかかわるということで、この3年間買い物以外ほとんど外出しなかったという話を多く聴きます。
使わない方には「利用率が低下すると廃止される恐れがあるので、区役所に不要と申し出てください」と提案するのですが「くれるというものを断る必要はない」と言われてしまいます。
鍼灸指圧が苦手という方で恐る恐る来院した方は「もっと早く来れば良かった」と呟かれています。
「軽症なので利用するのは申し訳ない」という意見は膠原病の寛解期の方に多いようです。
以前は「機能回復受術券」という堅苦しい名称になっていました。豊島区鍼灸師会の理事会でこの「堅苦しい名称が軽症の方の利用を減らしているのではないか」と提案があり単純な「機能回復券」に名称を変更しました。
最近では軽症の方は発行を停止されているようなので対象になっている間は安心してご利用ください。
鍼灸指圧は「未病を治す」という発想で行っています。完治がないと定義される難病の患者さんは再発時のほうが医療費がかかります。
「原因不明」といわれてる難病ですが、ある程度の原因がわかっています。1ヵ月に1枚ペースで通っていただいても完治には至りませんが、生活アドバイスを実践していただくことで再発・悪化防止につながります。ともに完全寛解を目指しましょう!
近くに施術してくれる治療院が無い問題は年々深刻化しています。
この券を扱える治療院は主に豊島区鍼灸師会・豊島区鍼灸按摩マッサージ指圧師会・東京都指圧師会豊島支部の会員である必要があります。
会費がそこそこ高額なため「メリットがない」と入会せずに治療院を営んでいる先生が多いです。
また会員登録済の治療院も先生の高齢化で廃業も増えています。
もし、現在通院中の鍼灸指圧院が豊島区内にあり機能回復券を取り扱っていないのであれば「4月から12枚になるそうですよ」と入会を促していただけたら有難いです。
豊島区機能回復券(はり・きゅう・マッサージ等)の交付条件
次のいずれかに該当するかた。ただし、施設入所者、入院されているかたは対象になりません。
• 身体障害者手帳1級から4級の肢体不自由のかた
• 戦傷病者手帳第3項症以上の肢体不自由のかた
• 難病患者福祉手当を受けているかた
上記に該当する方でも長年知らずにもらっていない方もいます。その場合区役所に相談していただければすぐに発行してくれるはずです。
また2023年4月以降は9月までに1度も機能回復券を利用していない方には自動的に発送しないようになったようです。
毎年2月から3月に駆け込みで利用する方には届かないと思いますので計画的にご利用ください。
「戦傷病者手帳第3項症以上の肢体不自由のかた」に該当する患者さんは令和になってほとんどいません。
理事会では「この項目は削除しても良いのではないか」との意見がありました。
今後、戦争に巻き込まれ「戦傷病者手帳第3項症以上の肢体不自由のかた」が発生しないように平和を祈りたいです。